その10

今年の夏もそろそろ終わろうとしている頃、

僕は久々に工場跡地へ行ってみると、病院が出来ていた。

形成外科・泌尿器科「カワサキ・クリニック」と書いてある。

皮肉なもんだ。包茎手術の病院が「カワサキ・クリニック」か。

玄関に近づいてみると、小さく張り紙がしてあった。

「今なら包茎手術50%OFF!これで君も男としての自信がつく!」

男としての自信かぁ・・・僕は一人で呟いていた。

すると病院の中から医者らしき人物が現れ、僕を強引に引きずり込んだ。

「こんなとこでは何ですから、中でゆっくりお話ししましょう。

当クリニックは、患者さんとじっくりご相談をし、

心のケアも含めたトータルな包茎治療を目指しております。

さて、どのようなお悩みをお抱えなんでしょうか?」

僕は・・別に・・ただ前を通りかかっただけで・・・

「包茎ではないのですね?」

い・・いや・・・そうなんですけど・・・手術とかは・・・

「はい、分かりました。

では、こちらでちょっと冷たいものでも飲みながら・・・」

僕は医者に言われるまま応接室みたいなところに通され、

なんだかんだで自分のコンプレックスを話す羽目になった。

・・・・・

結局、このクリニックに3度ほど通い、相談とアドバイスを繰り返したのち、

ついに包茎手術を受けることになった。

結論としては、包茎であることが、亀頭の成長に悪影響を及ぼし、

そのコンプレックスが男として性に対しての自信を

なくしてしまっているのだと言う。

手術さえしてしまえば、これからの人生、バラ色のセックスライフが

待っているらしい。

手術日は、僕の二十歳の誕生日に決まった。

僕の新しいセックスライフの始まりに、うってつけの日だ。

・・・・・

手術日当日。

僕はまず陰毛を剃られ、局部麻酔と、軽い全身麻酔をかけられた。

「眠っている間に済みますからね〜。目覚めたときには

男らしいペニスが出来上がってますよ〜。楽しみですね〜。」

僕は手術室に運ばれた。

麻酔が効いてうとうとしてきた。

手術室のドアが閉められ、照明が付けられた瞬間、

何人もの医者が僕を覗き込んだ。

今まで見たこともない医者ばかりだ。

1、2、3、・・・7人もいるぞ。何故こんなにいるんだ?

それに、こういう類の病院は男性スタッフばかりの筈なのに

女もいるみたいだ。

「それでは、患者さ〜ん。さっそくペニスの確認をします。

いや〜、これはすごい包茎ですね〜。当クリニック始まって以来の、

大手術になりそうですね〜。勃起しても皮は剥けませんか〜?」

手術の時にこんなこと聞くか?

「じゃあ、ちょっと勃起させてみましょうか〜?

くっ、くっ、くっ、・・・しっかし、お前、相変わらずだな〜」

何を言うんだ?

「相変わらず変なポコチンだぜ、川崎くんよ〜。」

そ、その声は・・・あみ?

あみ「いつかここに帰ってくると思ったよ。

   やっぱり私たちが忘れられないんだろ?え?

   みんなもういいぞ!」

みんなって?

全員がマスクを取った。

紛れもない、あみ、理沙、真希、若菜、亜紀、彩名、恭子の7人だ。

あみ「包茎手術しようなんて、何考えてんだ、お前?」

理沙「彼なりに悩んでたみたいよ、エラそうに。」

真希「赤ちゃんおちんちん、半年振り〜。」

若菜「この子、うちのソープに来たのよ。筆下ろしだって言って。」

亜紀「え?じゃあ、しちゃったの?」

若菜「それがね、出来なかったみたいなのよ。」

彩名「それで?」

若菜「それで、笑っちゃうんだけど、

   結局、手でしてもら?たみたいなの、それも3回も。」

あみ「あはは・・・お前らしいよ、まったく。」

恭子「ってことは、まだ童貞くん?」

あみ「どうやら、そうらしいな。」

麻酔が効いてきた。眠い。

しかし、どうして彼女たちがここにいるんだ。

これって現実なのか?

あみ「そんなにお前が、私たちのことが好きだって言うなら

   お前のおちんちんを、私たち好みのものに変えてやるからな。

   楽しみにして、ゆっくり寝てな!」

頭が朦朧としてきた。

そんなボヤけた状態のなかで、

彼女たちの身勝手な会話だけが耳に入ってきた。

あみ「さ〜て、どうする?」

理沙「まず、陰毛を永久脱毛しちゃいましょう!」

真希「一生、つるつるのままね?」

若菜「それで、絵、描いちゃおうか!」

亜紀「刺青がいいわよ!」

あみ「それ、いい、も〜らい。」

亜紀「何、描く?」

真希「キティーちゃんにしよう〜」

恭子「花柄もいいわね。」

理沙「ハイビスカスなんてのは、どう?」

若菜「うん、いいね。」

あみ「ちんちんは、どうする?」

真希「みんなの名前入れようよ〜。」

あみ「あたし、やだな〜それ。」

真希「じゃあ、『真希命』って入れてよ。」

彩名「おっきくなった時に、なんか文字が浮かび上がるっていうのは?」

恭子「例えば?」

彩名「一生、童貞くんなんだから『女人禁制』とか・・・」

あみ「『女陰禁制』にしよう!」

理沙「あみ、GOOD!OK!OK!」

あみ「キンタマは?」

亜紀「やっぱり、なんか、顔かな〜」

あみ「キティーちゃんも入れるんだろ?」

真希「キティーちゃんも入れる!」

彩名「アンパンマンは?」

恭子「ドラえもんは、どう?子供にもウケるよ。」

若菜「目玉おやじは?何だか分かんないかな?」

真希「カワイイのにしようよ〜」

あみ「ところで、皮はもっと伸ばしちゃうか?」

理沙「うん、勿論。う〜んと伸ばして、縛っちゃいましょう。」

若菜「オシッコ出来なくなっちゃうんじゃないの?」

あみ「そんなこと、知ったことか!」

亜紀「それは、可愛そうだよ。」

彩名「他のとこの皮、移植しちゃって、びろびろにしちゃおう!」

恭子「スゴイこと言うのねアナタ。」

彩名「それで、ゾウさんにしちゃうの。」

あみ「どっちにしても、皮がどれだけ伸びるか試してみたいよな?」

理沙「うん、試した〜い。」

真希「それで、それで、蝶々結びにしよう!」

あみ「そうだな、可愛くなるぞ〜。ははは・・・」

理沙「ねえ?早く、やっちゃおうよ!」

あみ「まあな、ごちゃごちゃ言ってても仕方ないしな。

   もう、めんどくさいから適当にやっちゃおうか?

   好きにやっちゃおうか?

   こいつのちんちんなんか、ど〜なったっていいんだからな。

   ど〜せ誰にも見られないかも知れないし、

   こんなポコチンじゃ、誰も相手にしないしな〜。

   いいぞ!好きにしてくれ!」

彼女たちは、わ〜い、やった〜と言って、

僕のおちんちんに襲いかかった。

僕のおちんちんはどうなっちゃうんだ?

それより、これは現実か?夢か?

眠いってことは、現実なのか?

麻酔による幻覚か?

それとも、これこそが自分が夢見ていたことなのか?

ああ眠い・・・もう限界だ。

眠るのが怖い。目覚めるのが怖い。

でも眠い。

眠い。

寝る。

おやすみママ。

・・・・・

・・・・

・・・

・・

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