「淫手女」by 若旦那
1.
「う〜ん、今日はやっぱダメか?隣は出てんのになぁ〜」
僕は22歳の大学生、バイトの休みにパチンコをするのが
唯一の楽しみという、 良くあるパターンの学生だ。
勿論(?)彼女なんていない。
加えて当然童貞。
ま、その内チャンスはあると信じて。
二万の軍資金の半分を既に投資した僕は、$箱を五箱積んでる右隣の女性を チラチラ盗み見てた。
(二十代後半から三十代前半かな?あれっ、左の薬指にリング?人妻さん?)
そんなコトを、揃わない液晶を見ながら思ってた。
(参ったなぁ〜、外の季節と同じに懐も寒くなりそ・・・)
その時!
ノーマルリーチからSPリーチに発展して、ついに本日最初の大当たりを引き当てた!
「うっしゃ!」
僕が六箱になった時に独り言みたいに、でも確実に僕に聞こえるように隣の女性が呟いた・・・
「あ〜、アタシのツキが全部キミに全部イッちゃったな〜」
「え?あ!」(あと一箱じゃん・・・)
「それ両替したらなんか美味しいものご馳走してくれない?」
「え?あ、いや、構いませんけど・・・」
結局彼女は持ち玉を全部飲まれ、僕は十箱チョイの出玉でホクホクだった。
パチンコ屋を出て両替も済ませて、なんとなく肩を並べて繁華街を歩いた。
「名前はなんていうの?」
とてもキレイな声だ。
「あ、圭一って言います」
「じゃあ圭君でイィね。アタシは桃香っていうの。水商売みたいでイヤなんだけど」
「全然そんなことないですよ。素敵な名前じゃないですか」
「ホント?ありがと」
そこで初めて気づいたが
(うわっ、結構美人じゃん、この人!)
(小柄だけどスタイルいいな!)
(控えめな茶色の髪もイィかんじ!)
(着こなしは上品だけど)
(黒の皮のミニとブーツも似合ってる!)
(でも人妻さんなんだよな?)
(でも取り合えず男の僕がリードしなきゃ!)
(童貞だけど・・・)
と、そんなコトをホンの2〜3秒の間に考えてた。
「んと、何か食べたいものあります?お寿司とか?」
「そうねぇ〜」
と言いながら、彼女は自然に腕を組んできた。
「あ!」
ドキン!
「ん?こうするのはイヤだった?」
と言いながら下から見上げ、彼女は腕を解かない。
「イエ、イヤなんかじゃないです。ただちょっと・・・」
「ただちょっと?」
「ん・・・ドキッとしちゃいました・・・」
「あはっ、そぅなの?でもこのままでイィでしょ?」
「ハイ、勿論です!」
と僕はなんとなくリードされてしまった・・・
「で、何食べよっか?」
彼女は本題に戻してきたが、僕はもうそれどころではなくなってきた。
さっきまであった空腹感は、どうやら忘却の彼方へ去ったらしい。
僕が口ごもると、フと彼女は立ち止まり、僕を正面から見てこう言った。
(うわっ、なんかまともに目を見れない!眩しい!)
「ね!圭君をご馳走してくれない?」
(え?一体彼女は何を言ってるんだ?)
(そもそも日本語なのか?)
(圭君をご馳走して?僕がご馳走?)
(あー頭が真っ白!)
(コレがパニクる?テンパるってことか?)
(えっと、明日のバイトは・・・)
「じゃっ、オッケーってことネ」
「ハイ・・・」
さっきまでエスコートしなきゃって力んでたのに、今ではすっかり彼女の掌の中って雰囲気。
なんか情けないけど、女性経験なんて無いに等しいし、もう言われるがままってカンジ。
しかも相手は人妻っぽいし、今更聞くのも不自然かなと思ってしまう。
「ココでイィかナ?」
と艶っぽく尋ねる彼女の声で我に返った。
「ハイ・・・」
と答えると、目の前は瀟洒な作りのファッションホテルだった。
いかにもケバい昔風のラヴホテルはいやだったので、これならまぁいっかと自分を納得させ
ついでに気持ちを奮いたたせた。
部屋に入ると、本来は適度であろう空調が暑く感じられた。
上着にしてたフリースを脱ごうとすると、彼女が後ろから脱がせてくれた。
そして手際良くハンガーに掛けながら
「ビールでも飲もっか。大丈夫でしょ?」
既に唇も喉もカラカラな僕は、その嬉しい申し出に素直に
「ハイ、飲みます」
と答えた。
「アハハ、さっきから何を聞いても『ハイ』しか言わないのネ」
「ハイ・・・あ!」
「いいのよ、少し緊張してるんでしょ?」
彼女は備え付けの冷蔵庫から冷えたビールと、棚からグラスを取り出して
「ほら、立ってないで座ろ?」
彼女も若干緊張してるのか、その声も少しだけハスキーになってる。
二人並んでソファーに腰掛け『カンパァ〜イ☆』
あっと言う間に一杯目を飲み干した彼女と僕は、二杯目を注いだ。
彼女もようやく人心地ついたらしく、脚を組んでバッグから細身のメンソールを取り出した。
「カチッ」
「ふぅ〜ッ」
ただそれだけのコトなのに、その一連の動作がまるで僕を魔法にかけたように呪縛した。
大き目のメッシュのタイツに覆われた脚、メンソールを挟む細長い指・・・
爪の形もキレイに手入れされていて、マニキュアも決してイヤらしくない。
たったそれだけなのに、僕の股間の温度は急上昇した。
つづく。。。